ドラちゃんのおへや

コロコロ文庫をぶっとばせ

第5回「たからさがしに行こう!」

 今回のテーマは、以前に掲示板でディッセさんにご提案いただいた「宝さがし」です。最初は「そんなに数がないのでは…」と思っていたのですが、探してみると、確かに意外とありました。やはり、宝さがしは子供にとって永遠の夢、あこがれの冒険世界と言う事なのでしょうか。のび太も、宝さがしが大好きなようです。それでは、さっそく紹介していきます。

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サブタイトル巻数初出作品内容
のび左エ門の秘宝4四・71・1野比家に、代々伝わる宝のありかを記した巻物があった。しかし、肝心の宝の場所を書いた部分は、ちぎれててわからない。そこでドラえもんとのび太は、宝を埋める当日に行って、どこに埋めるかを見ようと、タイムマシンで出かけるのだった。
宝さがしごっこセット13て・77・3マンガ「どくろ山のたから」を読んで影響され、物置で宝の地図を探すのび太。もちろんあるわけがなく「ゆめのない世の中だ」と嘆くのだった。そんな様子を見たドラえもんは、「宝さがしごっこセット」を出して、宝さがし遊びをのび太に勧めるが。
珍加羅峠の宝物15六・73・8ニコニコ顔のドラえもん。「ものすごおくいいことおもいついた!」らしい。それは、宝さがし機を使って、日本のどこかに埋まる宝を見つけることだった。ドラとのび太は、幕末に宝が埋められた珍加羅峠に向かうが。
立ちユメぼう16四・78・1「立ちユメぼう」は、かぶると好きな夢を見られる道具。のび太は、大魔境を舞台にして宝物を見つけると言う内容の、冒険物の夢を見たがるのだが。
宝星44五・80・6「宝をほりだすのは一生の夢」と言うのび太。ドラえもんは、宇宙で宝を埋めた星を探す「宝星探査ロケット」を出した。ドラは「宝くじよりもっとあたりにくい」と言うのだが、何とすぐに宝星発見のブザーが鳴った。
南海の大冒険45三・80・9「宝島」の本を読んで宝さがしをしたくなったのび太。ドラえもんが出した「宝さがし地図」を調べてみたところ、のび太はすぐに宝のありかを発見してしまった。場所は、南太平洋のまん中。二人は、形だけ帆船でほんとはモーターボートの船に乗って、宝の島を目指す。
たからさがしカウンターTCS6二・78・1家でゴロゴロしているのび太。パパは、自分が子供の頃には体を鍛えたと言うのだが、のび太は外へ出る様子はない。宝の地図でもあれば宝さがしに行くというので、ドラえもんは「たからの地図さがしき」を出した。
たからさがしペーパー+4二・85・1お正月。まだお年玉を貰っていないのび太は、パパに催促するが、パパはお年玉をしまった場所を忘れてしまう。嘆くのび太に、ドラえもんは「たからさがしペーパー」を出した。
宝さがしFF2五・74・1興奮して、机の引き出しから出てきたドラえもん。アルバイトをしていた未来の世界で、「1月5日山中峠に宝をうめた」と書いた古い日記を見つけたのだ。さっそく山中峠に行くが、宝は見つからなかった。よく見ると、日記は今年のもので、1月5日とは明日の事だったのだ。日記の文章から宝を埋めた人の家を突き止めた二人は、その家に行くが、そこにいたのは貧乏なのび太のおじ、ムナシだった。実は、ムナシは映画俳優で、宝を埋めたというのも映画の中の話だったのだ。

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 以上、宝さがしテーマの話は、全9作品。このコーナーで取り上げたテーマの中では少な目ですが、それでも「宝さがし」という限定されたテーマで、これだけの作品があったとは、やや意外でした。
 宝さがしテーマの作品の共通する点として、ドラえもんの道具を使って宝さがしをしても、のび太やドラえもん自身も、ある程度努力を必要としている点があります。まあ、これは当然の事でしょう。いくら22世紀と言っても、宝さがしのキモは、宝を見つけるまでの過程であって、全て道具にお任せでは楽しくも何ともないでしょうから。
 しかし、のび太の宝さがし好きは、尋常ではありませんね。何と言っても、夢の中でも宝さがしをしたがるほどなのですから。その点で、宝さがしすら面倒くさがる「たからさがしに行こう!」は、非常に珍しい作品です。F先生の存命中に単行本未収録だったのも、宝さがしにやる気のないのび太はおかしいと判断されたためかもしれません。
 なお、大長編ドラえもんでは「のび太の大魔境」「のび太の海底鬼岩城」の中で、宝さがしのエピソードが出てきています。いずれにせよ、「宝さがし」は多くの人が子供の頃に憧れる冒険であり、のび太でなくても「宝さがしごっこ」をした人は、多いのではないでしょうか。時代が移っても変わらず魅力のあるテーマで、「ドラえもん」で描かれるにふさわしいと言えましょう。

「コロコロ文庫をぶっとばせ」第5回 おわり (2004.9.3)