のび太の行動と聞いて、多くの人が頭に思い浮かべるのは、ドラえもんに道具をねだる姿ではないだろうか。これは「ドラえもん」と言う作品自体の根幹に関わる、ほぼ毎回登場する重要な場面である。
だから、大抵の場合、ドラはのび太の要求に応えて、何かを出してやることになる。しかし、時たまその要求があまりにも無茶で、ドラにさえどうにもならないような事もある。ここでは、そんなのび太の無理なおねだり発言を集めてみた。
なお、他の章では発言一つ一つにコメントを付けているが、本章は他の章に比べて紹介する発言数が多く、いちいちつっこむのもはばかられるようなストレートな要求が多いので、一気に全てを紹介する。
今回、目に付いたのび太の無茶な要求は全て挙げてみた。思った通り、かなりの量だ。
これらの発言は、大きく三つのタイプに分けることが出来る。一つ目は「ドラの道具で何とか実現可能」な要求。「自動ラーメン作り機」「ばくだんを二十こ」「家をでないで、家出する道具」などがこれに当たる。しかし、そもそも無茶な要求には違いないので、大抵の場合、ドラは完全に要求に添うことは出来ず、何らかの形で失敗している。「家をでないで、家出する道具」と言われて、姿の消える「かくれん棒」を出すあたり、ドラもかなり投げやりになっているのだろう(「ばくだん二十こ」は、出したのかどうか不明だが、ドラなら持っていてもおかしくない)。
二つ目は、「ドラの道具でも実現不可能」な要求。「いいことあった人すぐさま見つけ機」「学校を近くへひっこしさせる機」などがこれに当たる(「視聴率上げ機」もここに入りそうだが、複数の道具を使って最終的に「宇宙ターザン」の視聴率は上がったのだから、除外する)。この中で、個人的に好きなのは「いいことあった人すぐさま見つけ機」。他は、要求を全くストレートに道具名にしているが、これだけはちゃんと道具名らしい語感の「すぐさま見つけ機」としているところが面白い。また、「自動はなくそ取り機」が存在するのだから、「フーセンガムふくらましき」などは、あっても良さそうな物だが、ドラ自身「ばかばかしい」と否定しているところがおかしい。
そして最後は、「オチに使われる」要求。内容的には、二つ目のケースに輪を掛けて無茶な内容であることが多い。「あき地を作る機械」「目でピーナッツかみき」「空中に土地をつくる機械」「鼻でスパゲッティ食べる機械」「せまいままで広く」などがこれにあたる。オチに使われるだけあって、困って他にどうしようもない状態での発言であり、それだけ切実であると言える。
それにしても、ここに挙げただけでも、「土地を広げる」ことに関した発言が三つもあるのが目に付く。小学生の悩むことではないだろう。日本の土地問題はますます深刻化していることが伺える。