ドラちゃんのおへや

私の好きなドラ話

MASAさん

僕のお気に入り、というより感動したドラ話は、第32巻最終話「しずちゃん、さよ うなら」です。
(TVシリーズでは、「のび太のかたーい決心」というタイトルだったと思いま す。)

ある日、のび太は、放課後、先生に残されてひどくしかられていました。
先生は、「なんべん同じ小言をいってると思っているのかね。そんなんじゃろくな大 人にならんぞ。先生は断言する」とのび太に言ってました。
この言葉も、小学生に対しては、言い過ぎではないかと思います。
(余談ですが、別な話で、先生がのび太に「今度のテストで50点以下だったら、二 度と学校へくるな」と言ったことがあります。
これって完全に人権侵害ではないかと思いますが)

そこで、のび太は、このまま将来しずちゃんと結婚したら、きっと不幸になると思 い、別れようと決心します。
のび太は、ママに遠くへ引っ越したいと言うが、まるで相手にしてくれません。
静香から借りていたマンガを返すとき、静香のママに「さよならと伝えて・・・」と 言って去りました。
それでも、静香は「どうしたの?」とのび太に尋ねます。そこでのび太は、静香に嫌 われようと思い、スカートをめくってしまいます。
それから、のび太は出木杉に「しずちゃんをよろしくな!」と泣きながら言います。 ママや出木杉から話をきいた静香は、妙に不審に思います。そしてジャイアンとスネ 夫の会話を聞いてしまいます。

ジャイアン 「先生に残されてひどくしかられてたからな」
スネ夫   「こたえただろうな」
ジャイアン 「あれだけ言われたら世の中いやになるよな」
スネ夫 「ぼくなら死にたくなるね」

それを聞いた静香はのび太が自殺するのではと思い、のび太を訪ねます。
それに気づいたのび太は、ドラえもんに、「ムシスカン」をだしてもらいます。「ム シスカン」を飲むと不愉快放射能が出て、だれもよりつかなくなります。
その「ムシスカン」をのび太は10粒も飲んでしまいます。
ドラえもんもママも、家を飛び出してしまいますが、静香だけは、それに逆行し、の び太を助けようとします。
最後は、薬を吐いて放射能は止まります。

そしてのび太が「心配してくれたの?」と尋ねると静香は、「当たり前でしょ。お友 達だもの。あなた弱虫よ!先生にしかられたくらいで」と言って、
のび太は静香に怒られてしまいます。

このお話から、のび太と静香の強い友情が伺えます。
「ムシスカン」を使っても、静香はのび太から離れようとしなかったところから、ド ラえもんの道具でもってしても、強い友情や愛情を断ち切ることはできないというこ とが言えます。

管理人・おおはたより
 この話も、印象的なエピソードですね。ムシスカンの不ゆかい放射能に逆らって、のび太を助けに行くしずちゃんが心に残っています。「ニクメナイン」では、しずちゃんもみんなと一緒になってのび太を嫌っていたのはこの際忘れることにします。
 それはともかく、のび太もいつになく真剣に将来のことを考えていましたね。よほど先生の言葉がこたえたんでしょう。ちょっと、先の事まで考えすぎのような気もしますが。

作品メモ:「しずちゃんさようなら」TC32巻、FFランド(絶版)40巻、文庫恋愛編に収録