ドラちゃんのおへや

私の好きなドラ話

えのさん

「『チリつもらせ機』で幸せいっぱい?」

単行本未収録の為あらすじと道具の説明です。

「チリつもらせ機」とは、、、
 日本中のドラやき(例え)の一つ一つの小さなかけらを集める。それによってドラやき、髪の毛、ブロック塀、土地などなんでも集められる道具。
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あらすじ
 今日食べるドラ焼きを買い忘れたと部屋中を暴れるドラ。どうしても我慢できなくなったドラは”チリつもらせ機”を出す。だがドラは「これは恥ずかしいことだ」と言い道具をしまってしまう。
 そしてのび太が部屋から出て階段を降りていると急に『ガチャン』と言う音が。それは庭でゴルフをしていたパパがガラスを割った音だった。
 外に出ると、空き地で野球をしていたジャイアンとスネ夫が神成さん家のガラスを割って怒られている所をを目撃。そこでジャイアンとスネ夫はのび太に八つ当たりを始める。
 なんとか家に逃げ帰ったのび太が部屋に入ると、チリつもらせ機で集めた特大のドラ焼きを食べている。のび太はこの道具を使いたがる。ドラは反対するが、それでも「世のため、人のため」と通行中のオジサンに髪の毛をプレゼントする。そこでドラをまたまた脅し。無理矢理道具を借り、日本中から土地を集め自分の家の庭を広くする。「のび太球場」や「ゴルフ場」建設の計画を練るが、ママに頼まれた庭の草むしりに疲れ果ててしまった上に、税務署の固定資産税の取り立てや住民の反対運動が起きたりしたので、とうとうママに怒られてしまったのび太は、ドラに助けを求めるのであった。
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 連載後期ながらもドラの壊れっぷりがおもしろいです。『一日でもドラやきを食べないとぼくは…ぼくは…』もしかして初期よりひどくなってる…?
 のび太ものび太らしく滅茶苦茶ぶりを発揮しています。『一人からたったの一円づつもらえば一億二千万円の金持ちに……。』オイオイ、、、、。
 個人的に連載後期のドラはあんまりおもしろくないなぁとおもっていたのですが、この作品を読んで、『隠れた名作を発見!!』とおもったほどに印象に残りました。国会図書館などで読んでみる価値は充分あると思います。

管理人・おおはたより
 連載後期の「ドラえもん」では、正直なところ登場する新道具に、面白味に欠けるものが多いと感じていたのですが、本作の「チリつもらせ機」のアイディアはよかったと思います。各キャラクターの面白く描かれており、顔を汚して「ガツガツムシャムシャ」と特大ドラ焼きをむさぼり食べるドラえもんなど、最高ですね。
 個人的には「そっくりペットフード」と並んで、後期ドラの隠れた佳作だと思います。

作品メモ:「『チリつもらせ機』で幸せいっぱい?」単行本未収録(初出:「小学五年生」「小学六年生」1990年12月号)