ようやく「ドラちゃんのおへや」新装開店と相成りました。「迷作劇場」も約4カ月ぶりの更新です。前回の「ドラえもんの歌」は全14ページと、「ドラえもん」短編作品の中では長めだったので、今回は短めのお話をという事で、全4ページの「ドロン巻き物」をご紹介します。
なにやら真剣に議論しているのび太とママ。それを見たドラえもんも「二人のようすではよほど重大なことらしい」と感じるほどだ。しかし、のび太の言い分を聞くと、
「いいじゃない1週間や2週間くらい」
「べつに命にかかわるわけじゃなし」
「どうせまたすぐによごれるんだ。むだなことですよ」
のび太はただ、お風呂にはいるのを嫌がっていただけだったのだ。のび太に言わせれば、風呂の問題ではなく「子どもにむりやりいうことをきかせようとする」事がけしからんのだそうだが。
のび太が、ママにつかまらないようにドラえもんから無理矢理借りた道具が「ドロン巻き物」。この巻き物から出る煙を体にかけると、姿を消すことが出きる。
姿が見えないのをいいことにのび太がママをからかうと、ママは怒って、のび太を追いかけ回す。しかし姿が見えないものだからむやみやたらに追いかけていると、はずみで「ドロン巻き物」が壊れてしまい、煙が一面に広がる。のび太、ドラえもん、ママの三人とも姿が見えなくなって、あたりも何も見えなくなってしまう。
それでも逃げ回るのび太は、「ザブウン」という音と共に、どこかへ落ちてしまう。のび太が落ちたのは、風呂桶の中だった。それを見たドラえもん、
「どうせなら初めからすなおに入ればいいのに」
(以上、セリフはすべて「ドロン巻き物」本編より引用)
この「ドロン巻き物」で特筆すべきはのび太の姿です。のび太は、我々が思っている以上に頑固だったのです。この話で初めて明らかにされたのび太の「風呂嫌い」。作中ではのび太は、「ふろなんかどうでもいい」と言い、問題はママの態度だと言いきっていますが、いつもとは違って、ママに何と言われようと信念を曲げないその姿を見ると、よほど風呂が嫌いなんだな、と思わずにはいられません。この辺の心理はようくわかるんです、実は私も風呂はあまり好きではないので…。
しかし、風呂嫌いののび太が、推定一日2回は風呂に入るしずちゃんと結婚して、果たしてうまくやっていけるのでしょうか。これが原因で夫婦間に亀裂が生じるかも。まあ、そんな心配しなくても、おそらくのび太はママの言うことは聞かなくても、しずちゃんの言うことは聞いて風呂には入るのでしょう。