「ドラえもん(新)」から始まったシンエイ藤子アニメは、テレビ朝日(関東地方)では、月〜土曜日の帯番組+日曜朝の30分番組の2本立てで放映され、「毎日必ず観られる」ことを売りの一つにしていました。
しかし、これはあくまで関東地方の話で、他の地方では日曜朝の30分番組は同時ネットしても、平日の帯番組はローカル枠扱いだったために、放送するかどうかは各局の判断にゆだねられ、大阪の朝日放送のように全く放送しない局もありました。
大阪と比べると、名古屋テレビの場合は、関東から1年半も開始が遅れていたとは言え「ドラえもん」から最後の「ハットリくん」まで一応全作を放送したので、まだいい方でしょう。とは言え、関東よりも放映期間が短縮された作品も多いのは残念な点です。
ともかく、実際に、どの作品がいつからいつまで放映されていたのかを調べてみました。
作品タイトル | 東海地方の放映期間 | 関東地方の放映期間 |
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ドラえもん(新) | 1980.10.6〜1982.10.1(2年) | 1979.4.2〜1981.9.26(2年半) |
忍者ハットリくん | 1982.10.4〜1983.9.30(1年) | 1981.9.28〜1983.4.2(1年半) |
パーマン(新) | 1983.10.3〜1985.4.26(1年半) | 1983.4.4〜1985.3.30(2年) |
オバケのQ太郎(新) | 1985.4.29〜1987.4.24(2年) | 1985.4.1〜1987.3.28(2年) |
忍者ハットリくん | 1987.4.27〜1987.10.16(半年) | 1987.3.30〜1987.10.9(半年) |
※「ドラえもん」と「ハットリくん」一回目の帯放送は月〜金曜日の18時47分〜57分の枠で放映
※「パーマン」「オバケのQ太郎」は月〜金曜日の18時43分〜55分の枠で放映
※「ハットリくん」二回目の帯放送は月〜金曜日の18時45分〜55分の枠で放映
(解説)
実は、できれば名古屋テレビでの放送全サブタイトルも調べたかったのですが、残念ながら資料が見つかりませんでした。10分番組では新聞テレビ欄にサブタイトルは載っていませんし、アニメ雑誌も地方局の帯番組放映状況まではフォローしていません。そんなわけで、放映期間のみのデータとなりました。
私自身、「ドラえもん」は日曜朝の放送から入ったクチですが、当時は、関東では毎日放映されている事は知らなかったので、一年半遅れで帯番組の放映が始まった時は、純粋に毎日観られる(土曜日の放映はありませんでしたが)ようになった事を喜んでいました。ちなみに、新聞のテレビ欄では帯番組の方に「再」マークが付いていました。
上の表でおわかりのように、「オバケのQ太郎」と「忍者ハットリくん」二回目の帯放送以外は、関東地方よりも放映期間が短いため、全話が放映されたわけではありません。ただし「ドラえもん」に関しては、日曜朝および金曜19時からの30分番組で帯時代の作品のほとんどが放映されましたし、「パーマン」も、名古屋テレビでは、後に未放送話に独自でOP・EDを付けて、30分枠の体裁で放送していました。この時の放送分と「藤子不二雄ワイド」内での放映分で、かなりフォローされたと思われます。
残念なのが「忍者ハットリくん」。「藤子不二雄ワイド」から離れて二度目となった帯番組放送も放映したのに、この帯枠の後で三ヶ月だけ関東・静岡ローカルの「パオパオチャンネル」内で新作が放映されたため、その分だけは名古屋テレビで未放映となってしまいました。よって、関東地方に最も近いスタイルで放映されたのは「オバケのQ太郎」となります。
さて、1987年の「ハットリくん」を最後に、シンエイ藤子アニメの帯番組枠はなくなりました。月〜金の帯番組として19時20分〜20時の枠で「ニュースシャトル」が始まったため、それまで19時開始だった「ドラえもん」など平日19時の番組が18時50分開始となったためです。前述のように、関東と静岡では18時〜18時50分放映の「パオパオチャンネル」内で藤子アニメの再放送(「ハットリくん」のみ一部新作)が続きましたが、他の地域では放送されませんでした(名古屋テレビでは18時〜18時25分に戦隊シリーズ再放送、18時25分〜55分にローカルニュース)。
しかし、名古屋テレビは1990年代前半まではシンエイ藤子アニメにはかなり力を入れており、夕方17時台を中心に頻繁に再放送されたので、18時台の帯番組が無くなった事については、個人的には特に寂しさは感じませんでした。そもそも、知人から教えられるまでは「ハットリくん」二度目の帯放送があった事自体忘れていたほどです。名古屋テレビは「オバQ」で放送を打ち切ったものと思いこんでいました。
そして、現在はCSテレ朝チャンネルでシンエイ藤子アニメが放映されていますが、こちらはOP・EDクレジットがことごとく差し替えられ、「ハットリくん」のようにOP・EDが何種類もある作品でも、一種類しか流れないという残念な放映形態。テレ朝チャンネルを観るたびに「本放送はよかったなあ」と思ってしまいます。このリストを作るきっかけも、そんな気持ちからです。
(補足)
「コロコロコミック」のバックナンバーを確認された保谷キッドさんより、他の地方での帯番組版「ドラえもん」放映情報をいただいたので、ご紹介しておきます。
北海道テレビ:1979年10月1日〜(月〜金曜16時50分〜)
静岡県民テレビ:1979年10月1日〜(月〜土曜18時50分〜)
九州朝日放送:1980年3月頃〜(月〜土曜18時50分〜)
東日本放送:1980年3月頃〜(月〜土曜17時50分〜)