さて、私が一番印象に残りかつお気に入りなのは
ドラえもん第14巻の“ボールに乗って”です。
今単行本が手元にないので記憶だけで間違っているかもしれませんが、
確かドラえもんとのび太が大きい野球のボールに乗り、バットでたたくと
空中を飛行するというものでした。そしてドラえもんの頭に本物の野球の
ボールが直撃してそのはずみでバットを落としてしまい、ボールも落下して
しまうがちょうど真下で野球の守備をしていた人(少年野球か?)にキャッチ
されるというストーリーだったと思います。
この物語の特徴はジャイアンやスネ夫といったキャラが一切登場しないで
ドラえもん・のび太のみの登場でしかもドラえもん全45巻のなかで一番
短いので私は結構印象に残っています。
あと、私のもうひとつのお気に入りの話を紹介します。
それは6巻の最後の“さようならドラえもん”です。
ドラえもんがどういう理由か知らないけど突然未来に帰ることに
なる。それを知ったのび太は思いっきり泣きつくがのび太の両親
の説得?でドラえもんのさよならパーティーみたいなのを開く。
帰る前日の夜名前を忘れてしまったがある薬を飲んでドラえもんと最後の夜
をすごす。その時のび太は空き地の土管からねぼけて散歩するジャイアンの
姿をみかけてバカにする。そしてケンカになる。いつもなら一回で負けるの
だが次の日にドラえもんが帰るので負けられない、道具に頼らずジャイアン
に勝ちたい!という信念があってかボコボコにされながらもねばり通し、
ドラえもんがのび太を見つけた時はジャイアンはのび太の気合に負けて逃げて
しまう。のび太はドラえもんに抱きかかえられながらも「勝ったよ、これで安心
して帰れるだろ・・」と2人は涙を流しながら家に帰りのび太の寝ているわき
でドラえもんが涙を流しつつ次の日に去ってしまう。というストーリーだったと思います。
いつも何かと“道具”に頼るのび太。それを見てドラえもんは「僕は何のためにのび太の家に
来たのだろう」と思っていたかもしれない。しかしいざドラえもんが帰るとなると
のび太は道具を一切使わず、しかもドラえもんを友達のようにしかもなんら不安もなしに
未来に帰したいという思いがこの話に凝縮されている。私はのび太はほんとはバカじゃないのだ
ということがこの話を読んで初めて理解しました。それと同時に感動しました。
この話をあらためて読んでみるとドラえもんは改めて名作だなと思います。
管理人・おおはたより
「ボールに乗って」は、まさにシンプル・イズ・ベストと言った感じですね。初めて読んだときに「もう終わり?」と、あっけにとられたことを覚えています。
作品メモ:「ボールに乗って」TC14巻、FFランド(絶版)17巻
「さようなら、ドラえもん」TC6巻、FFランド(絶版)9巻、文庫感動編に収録