私が好きなドラ話はてんコミ14巻収録の”すてきなミィちゃん”です。
純愛と笑いのバランスで見れば、藤子作品屈指と言ってもいいぐらいです。
これは”水田わさびさん声のドラえもんで見たい作品No.1!”です。
水田さんは「好きでたまらニャい」の最後で”サカリのついたドラ”という、
考えてみたら動物としては当たり前だが、
いくらドラえもんが22世紀のロボットとはいえ、
ロボットに”発情”と言う概念があること自体、私は驚きを隠せなかった。
そんなドラえもんの切ない恋話で、これほどまでに未来の道具を駆使したことが
裏目に出る、それも普段ののび太の比ではない強烈なしっぺ返し
(実はミィちゃんが男であることが発覚)が彼に待っていたのです。
これを是非水田ドラ&大原のび太でやって欲しいのです。
話を本題に戻すと、「猫型ロボットだから、おもちゃのネコに恋するのは当然」
というニュアンスの、
”のび太の名言集コーナー”ライクなドラえもんの発言には、
結局は「そういわれりゃそうだ」納得させられる何かがあると思います。
そして、この漫画の最大の見所は秘密道具を一切使わずに、犬から
ミィちゃんの身を守るドラえもん。100の秘密道具を出すよりも
”愛”というものをここまで端的に描写したシーンはドラえもん史上、
それほどは多くないはずです。
最後ののび太のセリフも「いろんなことがあるのが人生じゃないか」という
ニュアンス。ドラ恋もの特有ののび太リードの中で、
ここまで”つっこみどころ満載な締めの正論”があっただろうか?
ここまで主観満載で申し訳ありませんが”純愛のドラえもん”をお求めの方に
100%満足いただける作品であることは間違いないと思ってます。
管理人・おおはたより
私が原作を初めて読んだ時は、「おもちゃのネコ」に、きちんと性別がある事を不思議に思いました。もちろん、ドラえもん自身はオスだと自覚しているのですから、ロボット化されたおもちゃネコに性別があっても不思議はないですし、意外であるからこそ、あのオチが生きるとも言えます。
アニメリニューアル後に放送された「好きでたまらニャイ」は傑作でしたから、「すてきなミイちゃん」も、今のスタッフ・キャストでアニメ化したら、面白くなりそうですね。私も、ぜひ観てみたいです。
作品メモ:「すてきなミイちゃん」TC14巻、FFランド(絶版)18巻、文庫恋愛編に収録。