私の好きなドラ話は「のび太もたまには考える」です。
「のび太もたまには考える」はドラえもんの表情に強いインパクトがあり「一生に一度は百点を…」が思い出されますが、ドラが冷ややかな視線すら送らなかったことや、思い詰めたかのような発言(ぼくなんかいなかったほうが・・・)をしている点から、より込み入った考え方ができると思います。
これは、あくまで自分の勝手な想像ですが、一回目の「一生に一度は百点を…」、二回目の「のび太もたまには考える」、三回目があるならばドラえもんは未来の世界に帰ってしまうでしょう。
ですが、この話の本質はドラとのび太の素晴らしいことばにあり、のび太の最後のページにあるおそらくドラえもん史上最も長いセリフであろう「ドラえもんともいつかは・・・」の部分(「あの日あの時あのダルマ」のダルマ精神ですね!)にはなんども道を教えられたような気がします。
そして、なによりはその少し前の(僕自身は・・・・・・・・・・・思えばむなしい)の「むなしい」という言葉です。今、私はここまで生きてきて精一杯のことをしたと天に向かって堂々と言えるのか。言えません。この気持ちを形容するのにむなしいほど適した言葉はありません。ならば、これからどうすればいいか・・・。答えは後ろのこまにあるでしょう。がんばるしかないのです。がんばるしかないのです。
この話を読むたびに私は、ねじれた心を戻すチャンスを与えられ「考える人」になることができるのです。
藤子先生、ドラえもん、のび太 ありがとう。
もしまだ読まれていない方がいらっしゃいましたら34巻です。ぜひ!
管理人・おおはたより
「のび太もたまには考える」のドラえもんの表情、たしかに印象的というか、ドラとのび太の関係の深いところまでを考えさせられる表情だと思います。また、「一生に一度は百点を…」が一回目、この「のび太もたまには考える」が二回目と言う考察は、なるほどと思いました。のび太はドラえもんに甘えっぱなしだと思っている人には、ぜひ読んで欲しい話ですね。
作品メモ:「のび太もたまには考える」TC34巻、FFランド(絶版)42巻に収録。