のび太の人魚大海戦をDVDで見た感想は一言で言えばぐだぐだでした。なぜこのような出来になったのかを考察していきます。
まず第一の原因は脚本が映画の尺に収まっていないことにあります。脚本を担当した真保さんは小説家であることから小説を書いている感覚で脚本を作っていたから映画の脚本というより小説になってしまって映画の尺に収まっていないわけであります。
第二の原因はこの映画を監督した楠葉監督の演出もろもろに問題があります。具体的に言うと、人魚大海戦に限らずわさドラになってからの映画は30分以内に状況説明が出来ていないからその後の展開に支障をきたしぐたぐたになってしまうわけであります。後監督がこの映画で何をしたかったかまったくわからないこともぐだぐだの原因になっています。同じオリジナル作品でも緑の巨人伝は渡辺歩監督はおそらくひぐらしのなく頃のような作品をドラえもんでやりたかったと緑の巨人伝で感じました。(もっともドラえもんでやる内容ではないが・・・)それに対し人魚大海戦は監督が何をやりたいのかがまったく感じられませんでした。
最後に第三の原因は安直な設定とドラえもんたちを含むキャラクター設定に問題があります。安直な設定は人魚族と怪魚族と人魚スーツのことです。人魚族と怪魚族にそれほどの違いがなく、両方の種族に二足歩行にしたことによって両方の種族の違いがわからずまた人魚スーツなどを出したことによって水生民族でもないのになぜ水の中で暮らし、水中の環境に出来るのかという矛盾を抱えてしまったわけであります。その余波はのび太達にもおよび人魚スーツで水中を泳がせていくのも矛盾があり、テキオー灯を浴びたといっても人間のカロリー消費量が変わるわけでもないので1時間も水中を泳ぎ続けることは出来ません。キャラクター設定に関して言えばドラミを除くと全員生きたキャラクターではないから、せりふも薄っぺらく感情移入も出来ません。
以上のことからこの映画はグラスの破片だけを集めたもので、映画の形にもなっていませんでした。