やっとこの映画を観ました。F先生役の阿部サダヲ氏はマルモでブレイクしましたね。もちろん寺田ヒロオ役の本木雅弘氏ははまり役です。
藤子両先生が初めてトキワ荘に来た夜、一緒に寝たテラさんから
生活にいくらかかるかを教えてもらうシーンは、史実では手紙で生活費を教えてもらったことの脚色ですね。
後、藤子両先生の部屋にZ旗が飾られていたり、『よるの王子さま』の絵も登場してニヤリとさせられました。『ロケットくん』らしき原稿の執筆シーンもありましたし。
ただ、『毒蛇はいそがない』の言葉は、赤塚先生の部屋に貼ってあったので、
まんが道でこの言葉を知った側からすると、藤子先生の部屋に貼ってほしかったです。赤塚先生と接点があった関係で、つげ義春が出てきたのには、驚きました。
鈴木伸一氏がアニメーターへの転向を決める場面は、お別れ会を描かないため(セリフで「お別れ会をしよう」とテラさんが言うのみ)、まんが道に比べるとさびしく感じられました。横山隆一氏の名前も出てきません。
鈴木伸一役の生瀬勝久は雰囲気が出てたと思います。
劇中では、「劇画」の言葉が出てこず、ただ寺田氏の漫画は、時代に合わない
という風に描かれています。だから寺田氏の引退を示唆するラストもどこか淡々としていました。
淡々としたタッチは、A先生役の鈴木卓爾が監督した映画版の『ゲゲゲの女房』に少し似てますね。漫画家は地道な商売なので、特に昔の漫画家を描くと淡々としてしまうのでしょうか。