中日新聞は取っていませんので、昨日図書館で、読んできました。
率直な感想を書きますと、膨大なエピソードが存在する「ドラえもん」から、「いじめ」と言うテーマに都合のいい部分だけを抜き出して取り上げた、実に恣意的な記事だと感じました。
手元に新聞がないので記憶で書きますが、「ジャイアンのいじめを、スネ夫もしずかも傍観している」と言う部分で、図版に使われていたのは、明らかに「いたずら」をしている場面のコマ。「いじめ」でなく、友達同士の「いたずら」なら、ひっかかった人を見て笑ってもおかしくはないでしょう。むしろ、いたずらをして笑いあえる程度に仲のいい友達だと言えます。
それに、ジャイアンやスネ夫が、のび太に暴力や仲間はずれなどの「いじめ」と取れる行為を行った時に、しずちゃんが助けを出している場面もある(「水たまりのピラルク」等)のに、全く触れられていません。
他にも気になった部分はありますが、記事が手元になく、詳細が確認出来ないのでここまでにしておきます。
とにかく、記事からは、「ドラえもん」がいじめばかり描いている作品のような印象を受けてしまい、悪い言い方をすれば、いじめ問題のダシにされてしまったように思います。
とは言え、「無視虫」のように、明らかに悪質な「いじめ」と言える描写が存在するのも確かで(それだけに、この話を記事で取り上げていない点は気になります)、のび太とジャイアン・スネ夫との関係は、じっくりと作品を読み込んだ上で研究すれば、分析だけで論文が書けるでしょう。
それだけに、このような表層的な取り上げ方をされてしまって、非常に残念です。