◆Annabel Leeさん:
> この愛蔵版を読んだとき、「奴隷狩り」で終っているのにはなんとも中途半端な印象を受けたのを覚えてます。
「奴隷狩り」は、「T・Pぼん」第2部の最終話にあたります。第3部からは、ようやく、ぼんの制服もユミ子と同じ新しい物になるので、ここで一区切りとなっています。愛蔵版がこの話で終わっているのは、FFランド版全5巻と同じ収録内容となっているためです。
Hiroshiさんが書いていらっしゃいますが、FFランド版は、「第I期」全5巻となっていましたので、もしFFランド第II期が出ていたら、6巻以降が刊行されていたはずです。ランドでは他にも「ドラえもん」や「異色SF短編」なども「第I期」扱いだったので、絶版になる前は、第II期を期待して待っていました。いまとなってははかない望みでしたが。
さて、「T・Pぼん」にてF先生の生前に5本が未収録として残ってしまったのは、F先生御自身に、まだ続きを描くお気持ちがあったからでしょう。私は未収録を全て読みましたが、第3部で単行本化されている作品と比べて、遜色はないと思います。
「ぼん」の初刊単行本だった希望コミックスは一冊に6話収録でしたので、せめてもう1話描かれていれば、とりあえず希望コミックス第6巻までは出ていたと思います。
アイランド版でも収録されなかった理由は、正直言ってよく分かりません。コンビニ版ではなく、いずれ正式な単行本で出してくれるならば歓迎なのですが、今のところそんな動きもありませんし。
いずれにせよ、「T・Pぼん」が歴史SFの傑作であることには違いありません。後半のエピソードが、やや歴史教育漫画的になってしまったことと、やたらローマの話が多かった点はちょっと気になりますが(笑)。それだけ、F先生もノって描かれていたのでしょう。ぜひ、多くの方に読んでいただきたい作品です。