今度のドラ映画の新しい情報が公式サイトに劇場予告が入ってきて、その予告を見た限りではこのリメイクはとても期待できそうにありません。
その理由1は、まずSFがないことにあります。鉄人兵団の総司令が全宇宙を征服するというせりふを言っていることがすでにSFではないのです。前の映画の時は、鉄人兵団はユダヤ教的価値観の元で行動しており、地球人捕獲作戦はユダヤ教的価値観で行っているからSFといえるわけである。今度のリメイクは敵の価値観を明確に描いていないからSFではないわけです。まあこれは今のスタッフの中にSFを知っている人が1人もいないからSFが描けないわけであります。ドラえもんにSFを抜かれたらQちゃんになってしまうわけで、今のドラえもん映画はQちゃん化してわけがわからなくなっているわけである。
理由2は、ピッポと言う新キャラクターを出してしまったことによることです。ピッポは見た目からしてもロボットに見えないし、演じている人のミスキャストとあいまって地球侵略のサスペンス性を失っており、さらにはミクロスのようなコミックリリースをやることには敵キャラなので無理があり、リルルの価値観の変化における感情移入を妨げる恐れのある要らんキャラクターです。余談ですが鉄人兵団の総司令官のデザインが虫になっており極楽とんぼの加藤の演技の違和感とあいまってまったく威厳がなく恐怖感もありません(副司令官も)。
理由3は、はじめから感動ありきに作っているから面白くないわけであります。そもそも鉄人兵団のテーマは地球侵略であって、結果的に感動ものになっただけである。感動というのは物語の結果であって、物語のテーマというものではないわけであるから、それをテーマにしてしまったから面白くないわけであります。
以上の理由からこのリメイクは期待できそうにありません。このことから前の大山ドラの監督であった芝山努監督が以下に優秀で、F先生の意図をちゃんとつかんで忠実に映像化しつつ、原作をも超えているものをつくっていたことが改めてよくわかりました。芝山努監督は日本のアニメ監督で正当に評価されていない監督の1人です。