人は時として、不運や災難に見舞われる。そんな時にどう対処するかでその人の評価が定まってしまうこともあるだろう。
そして、のび太は自称「世界一不幸な少年」である。当然、危機的状況に陥ったり、どうしても何かを回避しなければならないことも多い。そんな時にのび太が漏らす言葉には、他の場面とは比べものにならないほどの重みがある。ここでは、そんな発言を集めてみた。
これらについても、いちいち一つずつコメントを付けるのも野暮なので、第三章と同じく、一気に紹介していく。
いかがだっただろうか。率直に言って「名言集」というよりは「詭弁集」になってしまった感はある。実際、単にいやなことから逃げるための発言も多いのだが、そのごまかし方はのび太ならではである。
これらを分類すると、「今もってる自転車はきらいだ!」などは「責任転嫁型」と言える。「物」への無意味な責任の押しつけが、いかにものび太らしい。また、「スキーなんてのは〜」発言からは、のび太が意外とムード派だと言うことが伺えて、興味深い。そのわりには、しずちゃんとふたりっきりの時は良く雰囲気ぶちこわしな発言をしているのが気になるところだが。
いずれにせよ、のび太はとっさの時に付く嘘はきわめてヘタ(「「真実の旗印」はつねに正しい」参照)だが、きちんと考えた上での発言には、意外と説得力があるようにも思えてくるのが不思議だ。